カンザスシティ (ミズーリ州) / アメリカ合衆国
カンザスシティ(Kansas City)は、アメリカ合衆国ミズーリ州西部に位置する都市。市域はジャクソン郡を中心に4郡にまたがる。市はカンザス川がミズーリ川に合流する地点を中心に広がっている。人口は459,787人(2010年国勢調査)でミズーリ州では最大、中西部では第6位、全米でも第37位の規模である。ミズーリ・カンザス両州の15郡にまたがるカンザスシティ都市圏は2,035,334人の人口を抱えている。 カンザスシティはミズーリ州側とカンザス州側の2つに分かれている。合流点以東はすべてミズーリ州となっており、以西ではミズーリ川以北がミズーリ州、以南がカンザス州となっている。市名からカンザス州側がメインとなる都市であると思われがちであるが、実際には人口が多いのも、超高層ビルが立ち並ぶダウンタウンが発展しているのもミズーリ州側である。そのため単に「カンザスシティ」と言った場合、ほとんどはミズーリ州側を指す。ミズーリ州側はKCMO、カンザス州側はKCKと略される。また単にKCと略すこともあるが、KCと略した場合カンザスシティ都市圏を指すことも少なくない。 1930年代、民主党のマシーン(利益誘導政治)のボス、トム・ペンダーガストはあらゆる面においてカンザスシティに大きな影響を及ぼした。禁酒法時代、ペンダーガストの庇護下で違法営業していたナイトクラブには演奏旅行で大陸を横断する楽団が立ち寄った。やがてカンザスシティ・ジャズが花開き、カウント・ベイシーを世に送り出し、チャーリー・パーカーを生んだ。また、ペンダーガストはハリー・S・トルーマンを支え、後に第33代大統領になる道筋を作った。一方で、カンザスシティにはギャングがはびこり、治安が悪化した。現代においても、カンザスシティの治安はあまり良くない。 カンザスシティの市内には200ヶ所以上の噴水があり、そのためFountain City(噴水の街)と呼ばれている。また、古くは畜産の中心地であったことから、カンザスシティはステーキやバーベキューで知られ、Cowtown(肉牛の町)、BBQ Capital of the World(世界のバーベキューの都)とも呼ばれる。国の地理重心と人口重心の両方から400km以内に位置することからHeart of America(アメリカの中心)とも呼ばれる。