オマハ (ネブラスカ州) / アメリカ合衆国
オマハ(英: Omaha[ˈoʊməhɑː])は、アメリカ合衆国中西部のネブラスカ州東端部に位置する都市である。シカゴとデンバーのほぼ中間に位置し、その市域はアイオワ州との州境になっているミズーリ川の西岸に広がっている。人口は408,958人(2010年国勢調査)で、ネブラスカ州では最大、全米でも第42位の規模である。オマハに郡庁を置くダグラス郡を中心に、ミズーリ川をはさんでネブラスカ・アイオワ両州の8郡にまたがり、対岸のアイオワ州カウンシルブラフスを含む都市圏は865,350人、この都市圏にフリーモント小都市圏を加えた広域都市圏は902,041人(いずれも2010年国勢調査)の人口を抱えている。 オマハは1854年にミズーリ川の渡津に創設され、ネブラスカ準州の準州都が置かれた。初期はカウンシルブラフスからミズーリ川を渡るローン・スター・フェリーという渡し船の存在によって「西部への玄関口」と呼ばれ、やがてユニオン・パシフィック鉄道の起点となり、大陸横断鉄道の連節点として発展した。19世紀末から20世紀初頭にかけては、仲買・卸売業や精肉業で発展する一方で、違法ギャンブルや売春がはびこり、人種間の緊張が高まり、政界のボスとその配下の市長、および犯罪集団の癒着もあり、治安が悪化した。20世紀中盤には、シカゴをしのぐ精肉業の中心地となったが、その後低迷した。しかし、1980年代からダウンタウンを立て直し、1990年代に地域経済構造を多角化し、その後は再び成長へと向かっている。今日では、オマハは「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイをはじめ、フォーチュン500に入る企業が4社本社を置き、電気通信などのハイテク産業やバイオマスエタノールといった新しい産業も生まれてきている、中西部経済の一角を担うビジネス都市としての地位を確立している。 また、オマハは教育・文化の中心地でもある。オマハには州随一の私立大学であるクレイトン大学をはじめ、6校の4年制大学とネブラスカ大学の医学校がキャンパスを構えている。スミソニアン協会の提携博物館でもあるダーラム博物館や、ジョスリン美術館、全米最大級のコミュニティ・シアターであるオマハ・コミュニティ・プレイハウス、世界有数の動物園であるヘンリー・ドーリー動物園など、文化施設も豊富で、ニューヨーク・タイムズなど、他地域の有力紙でも取り上げられている。カレッジ・ワールドシリーズが開催されるのも、このオマハである。